引き続き難工事が続いております古和田の古民家。
一般的に建物直下に基礎を設ける場合、全体的に建物を持ち上げる必要がある訳ですが、
この建物は持ち上げてしまうと隣の棟と屋根が干渉してしまう、という難点がありました。
そこで、“空中で静止した状態”を保ちながら、
柱の床下にあたる腐食した箇所を切断し、その隙間にコンクリート基礎を新たに設ける事としました。
そうすることで建物を持ち上げずとも、柱の腐食部分を取り除き、基礎も設ける事ができるという
一石三鳥の計画となっています。

こちらの写真は、柱に対して交差するように鉄骨を組み、その鉄骨で建物全体の荷重を支える様子です。
並行して、フーチングを作る箇所については、地盤面を掘削しています。

建物は本瓦葺きですから、ジャッキには相応の荷重がかかってきます。
この状態で、建物の水平垂直も補正し、大きな傾きも治りました。
柱の下部は、腐食と共に根がらみや敷居による断面欠損が数多くありますので、
その辺りもすべて切除していきます。

更に工事が進み、建物が浮いている状態となりました。
フーチング部分のコンクリート打設が完了し鉄筋が立ち上がっています。

大工さんがレーザーを当てながら、柱を粗切りから正確にカットしている様子です。
「こんな工事は初めて」との事でしたが、流石の腕前で手際良く作業が進みました。

完全に浮いて、屋外が見えるというちょっと不思議な状態ですね。

引き続き、柱同士を繋ぐ土台の設置、立ち上がり基礎の打設へと工事は進みます。
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