中黒の古民家
種別/リノベーション
所在地/和歌山県岩出市
構造/木造平屋建
延床面積/195.79㎡
竣工年/2017年
Photo/Koki Matsumoto
次の100年へ継ぐ
およそ築100年の古民家リノベーション。
現状に雨漏りやシロアリ被害などがあったため、スケルトン状態まで解体し、改修を行いました。
その際、耐震診断、耐震改修については岩出市の助成を受け、限界耐力計算を元に伝統工法の良さを損なわないよう配慮しました。
間取りは玄関や水回りの位置を変え、部屋数を家族構成に合わせ減らしながら、庭に面する豊かな生活空間を確保。内部仕上げについては、使用可能な構造材や古い建具類を積極的に再利用する事で、よりよいものを次世代へ受け継ぐことを意図しました。
又、新たに加える素材についても厳選し、LDKについては天井と床を樹齢100年の地元熊野産、無節の杉材で柔らかく包み込んだ。
古くて新しいものこそが、新たな価値を生むと信じて。
現代の技術によりアップデートしながら地元の良さを受け継いだ“次の100年へ住み継がれる家”をつくりました。
元々6畳間だった所に計画した新たな玄関スペース。
写真左壁面に玄関収納とリビング収納、右壁面に靴箱を計画することで程良い広さに。
玄関ホールからリビングへ。そして、廊下を経て離れへと続く。
熊野杉に包み込まれたリビングスペース。
構造補強のため必要な2本の独立柱は動線、家具レイアウトに配慮し計画。
キッチン上の太鼓梁は釜戸があった名残として煤によって黒味を帯びている。
キッチンのリビング側にはボトル置きと、カード立て。
キッチン側には調味料を置くニッチを計画し、スペースを余すことなく使っている。
使い勝手を考え抜いた造作キッチン。
ワークトップは松岡製作所製の2段シンク、洗剤BOX付。
下部はどこに何を収納するか事前ヒアリングの元計画。
キッチンから庭を望む。
元収納を活かしてつくったキッチン横のワークスペース。
リビング横の掘りごたつのある小上がり和室。
客間から庭を見る。雨漏りによって腐食していた縁側の構造材は新材に差し替えている。
母屋と離れを繋ぐ廊下。
元々は2棟の隙間の屋外空間でした。
造作の洗面台。鏡に近づいてお化粧がしやすいようにRを描く。写真左の框戸は光を通す型板ガラスで仕切り、家事室へと続く。
スロップシンク、アイロン台、スカイクリーンを設けた家事室。
見せる/見せないのメリハリをつけたトイレの手洗い収納。
和のイメージに合わせて製作。
離れの廊下の正面には左官コテ波で仕上げたポイント壁。
離れの続き間。構造補強と共に内部の設えを整えている。
BEFORE